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モノマド辞典:基板設計・製造

プリント基板とは

絶縁物で出来た板の上または内部に銅など導体で配線を施された物です。別名、プリント配線板とも言い、パソコンや家電などエレクトロニクス製品に欠かせない電子部品の1つです。プリント基板の基材は、絶縁物である紙フェノールやガラスエポキシ板に銅箔を張り合わせたものです。電気回路をCR-500((株)図研)などの基板設計専用CADで配線パターンを描画し基材に転写、マスキングします。不要な部分を腐食、溶解して回路配線を作ります。

配線パターンは迷路のように複雑であり、レイアウトによって電気部品どうしが熱やノイズの影響を受けてしまうので設計には熟練を要します。また電気安全法など各国の安全基準に準拠した設計が求められます。次にプリント基板の役割について述べていきます。

プリント基板の役割

プリント基板の役割は、色々な電子部品で回路を構成する際にその部分同士を繋いで配線する為の物です。LSIやIC、トランジスタ、コンデンサ、抵抗など電気部品を基板に実装し、半田付けをして使用します。

プリント基板には様々な材質があり、使用する電子機器の種類、使用される環境によって素材や特性が選択されます。例えば、落としても壊れにくいノートパソコンを想像してみて下さい。もし紙基材の基板を選択した場合、簡単に割れてしまい回路が断線してしまうでしょう。その事を考慮しながら、基板の材質による特徴について述べていきます。

基板の材質による特徴

紙基材フェノール基板

紙基材にフェノール樹脂を含浸(液化樹脂に浸して基材の気泡の中を充たし硬化させる事)した材料で作られた基板の事です。価格が安く、切断や穴あけ加工に特殊な工具が必要ない為、加工性が高いのがメリットです。その反面、耐久性が低く、反りが生じやすい、耐熱性が悪い、吸湿性が悪い、電気的特性が悪い、高周波特性が悪い、絶縁抵抗が低い、機械的特性が悪い、難燃性が低いなどのデメリットがあります。銅メッキに不向きですので、スルーホール(穴の側面に銅めっきして表面、裏面あるいは内装面を電気的につなげられる穴の事)を形成できないのが大きな特徴です。よって主に片面基板に使用されます。

紙エポキシ基板

紙基材にエポキシ樹脂を含浸した材料で作られた基板の事で、紙基材フェノール基板とガラスエポキシ基板の中間的な特徴です。紙基材フェノール基板と比較すると、耐熱性、吸湿性、電気的特性に優れていますが、ガラスエポキシ基板には劣ります。絶縁抵抗、吸湿性が紙基材フェノール基板より優れている為、高電圧回路や食洗器など湿度の高い環境での使用を要求される製品に使用される事が多いです。

ガラス布基材エポキシ樹脂基板

ガラス繊維(グラス・ファイバとも呼ばれる)にエポキシ樹脂を含侵させた材料で製造した基板です。現在最も多く使用されている基板で、幅広い分野で使用されています。略してガラエポとも呼ばれ緑色をしています。寸法変化が小さく硬い為、耐久性が高い、電気的特性が良く高周波特性が良い、絶縁抵抗が高い、機械的特性が高い、難燃性が高い、吸湿性が高いなど数々のメリットが有ります。ガラス繊維が基材の為、一般的に刃が摩耗しやすく加工性が悪いので専用の工具や機械を使わないと加工ができない、コストが高いなどのデメリットがあります。難燃性、導電率、耐久性が良いので、高信頼性や高周波が求められる回路に使われます。穴の側面に銅めっきが可能でスルーホールが形成できるので、片面基板、両面基板、多層面基板が可能です。

ガラス・コンポジット基板

ガラス布+ガラス不織布を混ぜ合わせた複合基材にエポキシ樹脂を含侵させた材料で製造した基板です。安価な両面基板として使用される事が多いです。ガラスエポキシ基板と電気的特性が同等ですので、ガラスエポキシ基板の代替としてよく使用されています。セムスリーとも呼ばれています。但し、機械的特性、寸法安定性はガラスエポキシ基板より劣ります。柔らかい、コストが安い、耐トラッキング性に優れている、加工性は紙フェノール基板とガラスエポキシ基板の中間である、切削性に優れており、パンチング加工が可能であるなどのメリットが有ります。半面、機械的特性や寸法安定性は悪く、ガラス不織布が内部にあるので多層基板には使用できない、耐久性が悪いなどのデメリットがあります。用途は、片面基板、両面基板など片面では対応できない機器に使用されます。

テフロン基板

ガラス布基材にフッ素樹脂(テフロン)を含浸させた材料で製造された基板です。優れた電気特性材料ですので、携帯電話、Wi-Fi、GPSなど高周波機器に多く使用されています。不燃性である、絶縁抵抗が高い、耐アーク性が良い、吸湿性が良い、耐薬品性が良いなどのメリットが有ります。加工性が悪い、材料費が高く、スルーホール形成に特殊な薬品を使う必要があるのがデメリットです。

セラミックス基板

アルミナ(酸化アルミニウム)に耐火性の高い金属(タングステンやモリブデン)で配線パターンを形成し積層したものを焼成して製造した基板です。焼成加工するのでセラミック基板と呼ばれています。アルミニウム基板より放熱特性が良く、テフロンより高周波特性が良いので、パワーICの分野で使用されていますが、製造方法が他の基板と全く異なる為、一部のメーカーでしか製造されていません。白色や灰色をしています。コストが高く、主に多層基板に使用されています。

ポリイミド

紙基材にポリイミド樹脂を含侵させた材料で製造した基板です。ポリイミド樹脂は、柔軟で薄く、高強度で400℃と耐熱性が高く、また絶縁性も優れています。米国デュポン社のカプトンテープなど、電子回路の絶縁材料として用いられており、航空宇宙関係の高難燃性材料として開発された基板です。フレキシブル基板に使われています。

ポリエステル

紙基材にポリエステル樹脂を含侵させた材料で製造した基板です。ポリエステルは、ポリイミドと同様、柔軟で薄くフレキシブル基板などに使用されています。ポリイミドに比べコストが安いのが大きな特徴ですが、耐熱性が悪く低温はんだのみ対応しているというデメリットがあります。

実装方法により基板には色々な種類がありますので、次の項で述べていきます。

基板の種類

片面基板・・・片面のみにパターンがあるもので1層基板とも言います。

両面基板・・・表、裏の両面にパターンがあるもので、2層基板です。スルーホールで両面の回路を繋ぐ事が可能です。

多層基板・・・何層も絶縁体とパターンを積み重ねた基板です。部品の実装密度が上がり、複雑な回路パターンが設けられます。

ビルドアップ基板

スマートフォンや携帯電話などの小型電子機器に使われているのが、ビルドアップ基板です。ビルドアップ基板は、多層基板の1つです。一般的な多層基板は、スルーホールを形成するのにルーターで穴あけ加工が必要です。刃物で穴を開けるのには大きさに制限があるのに対し、ビルトアップ基板はレーザーで穴をあけるので、微細化がしやすいのが特徴です。です。穴を小さくする事で高密度実装が出来、少スペース化が可能で小型電子機器に欠かせません。

フレキシブル基板

ポリイミド、ポリエステルなどの柔軟性のある薄い絶縁体で、基材にエポキシ樹脂、アルミナ樹脂などを用いたプリント基板です。薄い基材の上に薄い銅箔の配線パターンがあり、表面保護の為に絶縁フィルムで被膜されています。折り曲げ、変形させる事ができるのが大きな特徴で、身近な電子機器では、プリンタヘッド配線に数多く使用されています。フレキシブル基板のベースはポリイミド製の方が多く使われています。

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